患者視点をとりいれるとは?

明日、自分が「患者」になることもある!?

皆さんは患者、と聞くとどのようなイメージを持たれるでしょうか。

かわいそう、元気になってほしい等という声が多いようです。しかし、自分が患者になったイメージを持つ、という人はあまり多くありません。

病気になるということは特別なことではありません。ある日を境に自分が病気になる可能性は十分あります。病気は自分と関係ない、と日頃から接触しない傾向があるのは残念なことです。

患者が自分の疾患を正しく理解して、きちんと周囲に伝えるには時間がかかります。健常者のうちから正しい知識を学ぶ必要があります。同時に正しい知識に基づいた早期発見・早期治療を心がける必要があります。

インターネットをはじめとして医療情報が気軽に得られるようになっていますが、不安があるにも関わらず、医療機関を受診せず、独自情報に頼りすぎるのは考えものです。疾患の理解は必要ですが、きちんとした検査結果なくしては、正確な疾患情報は得られません。

小さな悩みが大きく生活の質(QOL)に影響する

実際に患者になった場合の不安、不便に関しては、医療機関の領域でない場合もあります。例えば、関節リウマチ(RA)の患者の場合、薬剤の進歩によって変形が殆ど見られない患者がいます。しかし、変形がない=健康かといえば、そうではありません。

疲労度が高く、握力が低いため、健常者と全く同じ生活はできません。そのため、健常者が驚くような内容で悩んでいます。一例をあげましょう。

関節リウマチ患者の中でいつも話題になるのが

「雨の日に傘が差せないが、どうしたらいいか。」

ということです。

傘を開いたり、差したりすることは、関節リウマチ患者には大変な苦痛が伴います。皆さんもぜひ、雨の日に傘を差す時に、どれだけの関節が動いているか、観察してみてください。非常に複雑な動きをしていることに気づかれることでしょう。

傘が差せない、ということは一見すると小さな悩みに見えるかもしれません。でも、患者の生活はそこで大きく制限されてしまいます。

レインコートにしても、傘を利用しないことを前提にした耐水性の高いものは限られますし、雨の日に外出しない生活ができる人も限られます。小さなお子さんがいれば更に難しいでしょう。

ただ、傘がさせない悩みを、医療機関にするわけにもいきません。患者視点のサービスやプロダクトの提供というと難しく捉えられがちですが、このような小さい悩みも真剣に考え、患者満足度(CS)の高い内容を提供することにほかなりません。

小さな悩みが患者の生活の質(QOL)を大きく妨げていることが多いのです。

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2009年10月 5日|