新しい働き方「システム・ソレイユ」

■「システム・ソレイユ」とは:
ブライト・ソレイルズ株式会社は、女性・障害者・患者が暮らしやすい社会を実現させるため、ダイバーシティの環境整備と基盤構築を行う社会企業ベンチャーである。社会的マイノリティーであっても社会で輝く存在になれるという意味あいから、ソレイユ(太陽)の複数形を社名にしている。
 
「システム・ソレイユ」とはフランス語で「太陽系」を意味しており、太陽(当社)および当社で働く人、当社と協働する人や企業との関係性を示している。これは、当社代表の海外勤務やプロジェクトベースでの働き方等の経験値によるものであり、女性・障害者・患者であっても働きやすい環境づくりが可能だという信念によるものである。
 
日本では、日本では、1986年施行の「男女雇用機会均等法」以降、1999年及び2007年改正の「改正男女雇用機会均等法」を中心に女性の社会参加をはじめ、2009年「改正障害者雇用促進法」や2010年「改正労働基準法」等、労働者の多様な働き方を促進させる取り組みが行われてきた。
 
このように社会制度的には変化しているにも関わらず、働く人の意識として、高度成長期における重厚長大産業での働き方、すなわち、「正社員・男性・一定年齢以上」が、とりわけ管理職でのスタンダードとなっている感は拭えない。このため、「子育て中の女性」「メンタル障害者」「視覚・聴覚・内部障害者」「慢性疾患患者」「急性疾患後の復帰患者」等は、あくまでもオプショナルな位置づけとなっており、管理職等での復帰は難しいとされている。
 
当社では、オプショナルな位置づけの存在であったこのような人々が、企業の中心となり、管理職も含めて障害やハンデを持つ人材でも運営できるスタイルをとっている。また、当社と当社で働く人との関係は、ライフイベントの状況や障害、疾患の度合いにより、距離感が臨機応変に変化する。これを「太陽系」にたとえて、「システム・ソレイユ」と呼んでいる。
 
■当社で働く人の特徴
 当社で働く人は、代表を筆頭に、障害や子育てなど制約がある者が多い。従って、全員が在宅勤務を部分的あるいは全面的にとりいれており、障害や疾患、ハンデの有無は採用時に問われることはない。問われるのは下記4点である。
 
1)プロフェッショナリズム:当社に貢献できるだけの知識・経験を持っているか
2)セルフ・コントロール:疾患やハンデの自己コントロールができるか
3)コミュニケーション・スキル:コミュニケーションを取るためのスキルがあるか:IT活用力、ハンデに関する説明力、マネジメント力等
4)セルフ・インテグレーション:当社に貢献することと自分の成長を統合できるか
 
 採用された場合、ライフイベントによって働き方を変えることができるが、社内でのポジショニングが変わるわけではない。ちなみに、役員から担当まで在宅勤務を実施している。
 
■ライフイベントに応じた距離感
子育て期間や、入院期間等で、必ずしもフルコミットできない場合であっても、勤務形態を変更して、勤務の継続が可能である。例えば、週2日のみ出社、今週は在宅勤務等である。勤務形態は、事前に申請すればメンバーと調整して、変更が可能である。ちなみに、本人が申請すれば別であるが、ライフイベントによって、職務内容が変わることはない。
 
■プロジェクトベース
 当社の仕事はすべてプロジェクトベースである。事前にプロジェクトの範囲と期間が決定され、その後、プロジェクトメンバーが決定する。ちなみに、プロジェクトメンバーには、社外の「協働者」(当社では「プラネット」とよぶ)が含まれることが多い。仕事の内容は、タスクに区分されており、タスク毎の成果(アウトプット)が出れば、勤務場所は問われることはない。したがって、在宅勤務も申請すれば全員が可能である。
 
■「プラネット(協働者)」の特徴と関係性
 プラネット(協働者)とは、ブライト・ソレイルズのメンバーとともにプロジェクトを構成する人や企業である。プロジェクトベースで参加するため、必ずしもフルタイムのコミットではないが、「システム・ソレイユ」には必要不可欠な存在である。通常企業におけるいわゆる協力企業との違いは、事業への理解、コミットの深さである。
 
1)相互理解
 まず、第一に当社がハンデを持っている人の集まりであるという認識をもった上で、恊働作業を行う。このため、自身も闘病経験があったり、家族にハンデを抱えたりする人の参加が多い。
2)プロジェクトへのコミット方法の決定
 プロジェクト概要を事前に伝え、コミット方法を協議した上で、プロジェクト参加を決定してもらう。この場合、双方に選択権があり、プロジェクトに専門性が発揮できない場合は、参加しないというケースもある。
3)プロジェクトへのコミットの深さ
 プロジェクトのメンバーとなった場合は、当社のメンバーと同様のポジショニングでプロジェクトに参加するため、情報開示の内容等に差があるわけではない。このため、参加にあたって面接があるほか、セキュリティに関しては事前契約を結ぶ。
 
IT活用
 クラウド・コンピューティングによるコミュニケーション・ツールをベースに、社内コミュニケーションを図っている。その他、FacebookTwitterといったソーシャルメディアも業務に採用しており、対外的なコミュニケーション以外に、社内業務、健康管理、情報共有に活用している。また、モバイルを活用することで、短時間のメール、会話によるコミュニケーションを重要視している。
 
■社内研修制度
 一般企業や病院勤務経験者は、プロジェクト方式に不慣れな場合が多いため、事前にプロジェクト方式での成果の出し方について、入社後3ヶ月は通常勤務に加えた社内研修を行う。具体的には、マネジメント、ロジカル・シンキング、国毎・業界毎の商習慣、社内用語の統一、セキュリティ・ポリシー、リスク・マネジメント等である。
 
■「システム・ソレイユ」の将来像
将来的に、「システム・ソレイユ」は3つの領域での進展を目指している。

1IT投資の充実
より実態に即したIT投資をすすめて、リアリティのある在宅勤務を目指す。具体的には、障害者の障害毎の特性に対応したシステムを適応する。
2)グローバル化へのより現実的な対応
海外とのやり取りに遜色ない勤務形態を目指す。また、社内、プラネットのいずれも、必ずしも特定の国籍にこだわらない。また、グローバル市場を見据えたマネジメントの高度化を目指し、各国語による研修に対応する。
3)バックオフィス業務におけるプラネットの適応
バックオフィス業務であっても例外なくプロジェクトベースにする。従来、達成度が測定しづらいバックオフィスは必ずしも厳密にプラネットの基準を適応していなかった。しかし、将来的には金融機関、調達先も含め、理念を共有するプラネットを探索し、プロジェクト運営を可能とする体制づくりを図る。
 
以 上

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2011年11月28日|

関節リウマチ 2010年ACR/EULAR新分類基準について

 関節リウマチ(RA、以下RAと記載する。)は関節破壊を起こす自己免疫疾患であり、日本で70~100万人前後(人口の約1%)が罹患しているといわれている。RAの初期症状は関節痛や身体のだるさがあるが、この関節痛やだるさが人により異なり多様な症状を引き起こすことから、RAという診断が下されないまま、痛み止めだけ処方されて余計に悪化するというような事態が起こっていた。確定診断までに時間を要した原因のひとつは、RA罹患期間7.7年、262名の研究結果から作成されたアメリカのリウマチ学会(ACR)のACR分類基準(1987)を診断基準として用いていたこともあげられる。(厚生労働省2010年資料『リウマチ対策(H17~)の評価と現在の問題点』より)

 生物学的製剤やMTX使用などにより、初期の患者を悪化させない治療法が進んできており、疾患が進行し車イス生活となってしまうような増悪が寛解(病気の症状がほぼ消失し、臨床的にコントロールされた状態)となることも可能となってきた。RAにおいては①炎症と自他覚症状の消失を意味する臨床的寛解、②関節破壊の進行がほとんど止まることを意味する構造的寛解、③身体機能の維持を意味する機能的寛解の導入が治療目標とされている。(東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センター整形外科HPより抜粋引用)
 このため、初期の患者の確定診断を行うことで、罹患初期により速やかに治療に入り、病状を悪化させないという方向転換をしてきており、2009年米国と欧米のリウマチ学会で2010年ACR/EULAR 新分類基準が提示された。

 この2010年ACR/EULAR 新分類基準発表の後、日本リウマチ学会において、この診断方法が日本で活用できるかいくつかのコホート研究が行われ、その結果が2011年9月にリウマチ学会の新基準検証委員会報告書では以下のように報告され、日本での適応が結論された。同報告書より抜粋を記載する。

 「早期、進行期、治療コホートのいずれにおきましても、抗リウマチ薬投与前の時点において、新基準による診断の感度は87年基準の50%弱から、75%前後へと向上し、優れた診断感度である事が確認されました。一方、87年基準と比べ、特異度がやや低下する事から、他疾患の鑑別が重要であることが示されました。同時に、血清反応陰性、大関節罹患型の症例では、診断が困難になる例があることも指摘されております。このような課題は、エキスパート検証委員会によるケース検証からも指摘されました。解決する方策として、鑑別診断の難易度を示した疾患リスト、鑑別診断時の診察•検査チェック項目リストを参照しながら、この基準を用いることが提案され、両作業部会で合意を戴きました。
 ACR/EULAR では、この新基準の適応をすでに開始しております。上記のような対応による鑑別診断を慎重に行った上で、2010 年ACR/EULAR 新分類基準を我が国において用いる事は、グローバルの潮流である早期診断•早期治療介入に資するものと考えます。ここに新基準を我が国においても適応すべきとの結論に達しました。」(日本リウマチ学会資料2011年9月「ACR/EULAR新分類基準の検証について」新基準検証委員会報告書の報告より抜粋)

 以下に、上記で記載した診断基準を年代ごとに掲載する。
今後、診療の現場で用いられているRAの病期・進行度の分類、疾患活動性の評価についての指標などについても本コラムで順次掲載予定である。

■ACR分類基準(診断基準)(アメリカリウマチ学会1987年)

1. 朝のこわばり(一時間以上持続する)

2. 多関節炎(少なくとも3領域以上の関節の腫れ)

3. 手の関節の腫れ

4. 対称性の関節の腫れ

5. リウマチ結節

6. リウマトイド因子(リウマチ因子)陽性

7. レントゲン検査で典型的な関節所見

上記7項目のうち4項目以上があれば「関節リウマチ」と診断


■早期関節リウマチの診断基準(日本リウマチ学会提唱1994年)

(1) 3つ以上の関節で、指で押さえたり動かしたりすると痛みを感じる

(2) 2つ以上の関節に炎症による腫れがみられる

(3) 朝のこわばりがみられる

(4) 皮下結節(リウマトイド結節)がひじやひざなどにみられる

(5) 血液検査で赤沈に異常がみられる、またはCRPが陽性である

(6) 血液検査でリウマトイド因子が陽性である

上記3項目以上にあてはまる場合を早期関節リウマチとする。



■2010年ACR/EULAR 新分類基準(アメリカ・欧州リウマチ学会2009年)

【関節病変】

(1) 中・大関節に1つ以上の腫脹または疼痛関節あり   0点

(2) 中・大関節に2~10個の腫脹または疼痛関節あり   1点

(3) 小関節に1~3個の腫脹または疼痛関節あり      2点

(4) 小関節に4~10個の腫脹または疼痛関節あり     3点

(5) 少なくとも1つ以上の小関節領域に10個を超える腫脹または疼痛関節あり  5点

【抗体検査(RF または 抗CCP抗体)】

(1) RF、ACPAともに陰性  0点

(2) RF、ACPAの少なくとも1つが陽性で低力価 2点

(3) RF、ACPAの少なくとも1つが陽性で高力価 3点

【滑膜炎持続期間】

(1) <6週 0点

(2) ≧6週 1点

【炎症反応】

(1) CRP、ESRともに正常 0点

(2) CRP、ESRのいずれかが異常 1点

上記のスコアの合計が6点以上である症例は「RA確定例 (definite RA)」と診断。

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2011年10月 7日|

ダイバーシティ最前線

日本では「ダイバーシティ=女性」?

日本でダイバーシティという単語は、企業などにおける女性の活用と同義として使われることが多いのですが、本来の用語では多くの意味が含まれています。

女性、患者、障害者、外国人等のように全体に対して少ない割合(マイノリティ)を、特別視することなく、むしろ活性の原動力にしていくというのが、本来の意味に近いニュアンスです。

日本の場合、「ダイバーシティ=女性」という構図で語られることが多いのは、企業や組織等で、意思決定過程における女性の割合が少ないことによります。国連開発計画(UNDP)が2008年に算定したジェンダー・エンパワーメント指数(GEM)によると日本は参加国108カ国中58位であり、まだまだ先進国とはいえません。

ジェンダー・エンパワーメント指数とは、女性が政治や経済活動に参画し、意思決定に参画できているかどうかを測る指数であり、国会議員に占める女性割合、管理職に占める女性割合、専門職・技術職に占める女性割合、男女の推定所得を用いて算出されています。例えば、日本の民間企業における女性管理職の割合は2008年には9.3%で、アメリカの42.7%やフランスの37.9%に比べるとかなり低い数字が示されています。

女性活用は長期的な価値創造

女性管理職が多いことが、意思決定内容に変化をもたらすとは限りません。しかし、世の中の半分は女性であり、日本では消費行動に権限を持つのが女性だと言われていることから、少なくとも、ユーザとしての立場を反映することは、女性を対象とする企業にとってはプラス面が多いといえます。

継続的にダイバーシティが普及していくためには、企業行動での成果も必要となります。社内で女性が活躍することは長期的な視点で企業価値を高めていきます。

ダイバーシティが経営マターに

現在のところは、ブランディングを高める価値が中心ですが、異なる意見を取り入れ、多様な働き方を取り入れる内部環境における経験を摘むことで、企業には、外部環境に対する柔軟性という新しい観点が備わっていきます。

欧米の多くの企業でダイバーシティを経営の重要マターとしてとらえる理由は、変化の速い外部環境に適応する必要性から得られた知恵といえるでしょう。

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2011年5月 5日|